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六夜目 少年の恋心を届ける、アポロンの使い鳥
からす座

初夏の夕暮れ時、観測前の腹ごしらえを邪魔された星子ちゃんは、カラスに導かれて一人の少年に出会います。嘘つきの汚名を着せられ、ふてくされていた腹ペコのヒロユキ君。そんな彼を見て、星子ちゃんは事情を聞き出します。
ここで登場する「からす座」は、春の星座です。四角形の小さなかわいい星座は、意外と目に留まりやすく、”四つ星”、”まくら星”、”はかま星”、”帆かけ星”などの和名もあります。四角形をカラスと呼ぶとは、余りにも大雑把な気がします。それもそのはず、当のカラスは真っ黒にされて、空の天井に張り付けられているのでした。四つの星は、カラスを留めた銀の杭といったところでしょう。一体何があったんでしょうね。





神アポロンの使いだった頃のカラスは、白くて人の言葉を話していたと言われています。カラスがアポロンに嘘をついたため、その仕打ちに黒く塗られ、言葉も取り上げられ、天上に追放されたのが星座の由来です。ついた嘘のお話は本編に描いているように、笑えるような軽いウソだったり、シャレにならないものだったりと、諸説あるのですが、いずれにせよ空にいるのはアポロンの怒りをかってしまった残念なカラス。大きなうみへび座と神々しく輝く乙女座に挟まれて、小さく縮こまったからす座を見ると、しょぼくれた感じがイメージできて面白いです。



見た目通り小物感が拭えないからす座ですが、コップ座との境界付近にとってもキュートな銀河をもっています。遥か昔に二つの銀河がぶつかって、飛び出た星々によって二本の長い帯状の筋ができてしまったようです。これがアンテナみたいに見えることからアンテナ銀河と呼ばれています。アンテナ銀河の二つの銀河は、互いに作用しあっていて、これから一つになろうとしているようです。その過程で銀河は歪んだ状態になっていて、中心付近を見てみると、かわいいハート形をしているんです。

なるほど、これはカラスくんに朗報。うそつきの汚名を返上し、新たなイメージを獲得するチャンスです。ヒロユキ君の恋心を届けて、ぜひ縁結びの神様に昇進して欲しいですね。そんな「からす座」のかわいいお話。ぜひ、本編で楽しんでください。



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